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電気自動車・ハイブリッド車のキーとなる自動車用リチウムイオン電池性能向上だけでなく、新たな雇用創出を!
電気自動車・ハイブリッド車のキーとなる
自動車用リチウムイオン電池
性能向上だけでなく、新たな雇用創出を!
シニアリサーチャー 木内 和寛

年々増加する環境対応車

 自動車業界においては、従来から課題とされていた環境問題に加え、ガソリンの高騰などがあり、「ハイブリッド車」や「電気自動車」にとっては追い風となりつつあった。しかし、昨年からの金融不安から需要減退、雇用問題までが顕在化している自動車業界にとっては、これらの開発が生き残りへの数少ない選択肢なのかも知れない。
 現在の環境対応車として主力となっているハイブリッド車は、年々増加しており、平成19年度の国内保有台数は40万台を超える規模となっている。また、2009年は、三菱自動車の「i MiEV」や富士重工業からも電気自動車の発売が予定されており、「電気自動車元年」とも位置づけられている。

ハイブリット自動車保有台数の推移
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発売が続くハイブリッド車

 話題を電気自動車に奪われがちであったハイブリッド車でも、2009年2月6日から、ホンダが「インサイト」の販売を開始した。ハイブリッド車の代名詞ともいえるプリウスに比べ、燃費では劣るものの小型化そして何より注目なのが低価格化で、プリウスとの価格差は44万円となっている。この価格差の影響からか販売も好調を維持し、2月中旬には月間の販売目標5,000台を大きく上回る10,000台以上の受注と発表されている。
 また、今春にはトヨタがプリウスの新型を発表する予定とされている。当初、プリウスのモデルチェンジの際には、リチウムイオン電池が採用されるのではとの見方もあったが、ニッケル水素電池が予定されている。


「インサイト」と「プリウス」の比較

リチウムイオン電池の本命は?

 インサイトや、今春発売予定のプリウスには搭載されないものの、電気自動車や次世代のハイブリッド車に欠かせないキーの一つが、リチウムイオン電池である。既に大手自動車メーカーは、電池メーカーと連携し開発を行っている。その一例を下表に示すが、特徴の一つとして自動車メーカーと電池メーカーの出資比率が挙げられる。
トヨタはパナソニックと、日産はNECとの合弁会社において、自動車メーカーが過半数の出資をしている。これに対し、GSユアサは、電気自動車用電池の三菱自動車に加え、ハイブリッド車向け用のホンダとの開発に関わる合弁会社を設立した。どちらのケースも、GSユアサの出資比率が51%と過半数を占めている重要な違いがある。
各自動車メーカーの環境対応車の戦略同様に電池開発に関しても、各社の思惑の結果だと思われるが、自動車メーカーが主導権を握るケースと電池メーカーが主導権を握るケースとの違いが今後どのように現れてくるのかにも注目していきたい。


合弁会社設立における自動車メーカーと電池メーカーの関係

普及のためには

 環境対応車の普及のために、神奈川県などでは早々に施策を打ち出している。また、昨年末には環境省も電気自動車を中心に実証実験を打ち出している。さらには、自民党税制調査会も2009年度税制改正で、低公害車を対象とした自動車重量税と自動車取得税について、4月から3年間の時限的な軽減措置を設けている。
しかし、電気自動車やハイブリッド車の普及のためには、取得する際の金銭的な補助も当然必要であろうが、インフラやメンテナンスなど、自動車および電池の技術者なども行政などと一体となる必要があるであろう。
キーとされている自動車用リチウムイオン電池では、国内メーカーが世界をリードしている。しかしリチウムイオン電池は、未だ最適な材料等に対する見解が定まっていない。このため、従来の電池関連メーカーに加え、既存事業の特長を活かした各社が新規参入を目論んでいる。技術力として世界をリードしているといえるこの分野で、開発だけでなく量産体制を国内で整えることが出来れば、雇用問題に対しても明るい話題ももたらされるであろう。



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